北川やすとし 兵庫県議会議員 六期

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活動リポート

2015.3.2

えん罪が起きない社会へ〜村木厚子・厚生労働事務次官に聞く(県政報告平成27年1月号)

muraki20150227

※この記事は「兵庫県議会議員北川やすとし県政報告」平成27年1月号より転載したものです。

【えん罪が起きない社会へ〜村木厚子・厚生労働事務次官に聞く】

北川やすとし県議は、9月 18日、厚生労働事務次官の村木厚子さんと面談、突然の逮捕から無罪判決までの1年 3か月間の状況や心情、法制審議会委員としての「全過程の可視化を義務付ける答申案」についての考えをお聞きしました。(本文敬称略)

「可視化答申は将来への第一歩〜対象拡大の見直しも規定に」

北川:厚生労働省の局長だった2009年 6月に虚偽公文書作成・同行使の容疑で逮捕され、無罪判決まで1年3カ月がかかりました。無実をかちとられたことに大きな敬意を表します。当時の心情などをお聞かせください

村木:弁護士や支えてくれた家族、支援者の皆様のおかげで、無罪になりましたことを感謝しています。突然の逮捕は、いきなり連れて行かれて、リングに上がると向こうにプロボクサーがいる。レフェリーもセコンドもいない。検事にいろんな話しを聞かされてどんどん不安になるし、頭が混乱していきました。追い込まれていく感覚がすごくありましたね。

北川:母の場合もそうでしたから、よく分かります。このえん罪事件を機に法制審議会(法相の諮問機関)が設置され、昨年 7月には警察と検察の取り調べの全過程の可視化を義務付ける答申案が出されました。委員の一人としてお考えを聞かせてください。

村木:可視化の対象となる容疑者は2~3%と、まだまだ少ないと思います。しかし、何もなかったことを考えると、将来への貴重な第一歩と捉え、えん罪をなくす継続的な努力が大切です。

「国民の関心高める活動も継続」

北川:しかし警察、検察による見込み通りのストーリーに合わせた自白を強要していくという古い体質を考えると、対象の2~3%は少ないのではないでしょうか。

村木:おっしゃる通りです。そこで、一定期間後に対象の見直しを検討する規定も加えられました。しかし、部分可視化ではなく全過程のすべてを録音・録画するという重要なことは決めることができました。激しく対立する意見の中からまとめ上げられた答申は評価されるべきだと思います。これが突破口であると考えています

北川:法制審議会の中でも村木さんや周防正行さんがおっしゃっていることは、普通の国民の考え方だと思います。えん罪に対しての国民の関心を高めていくために一層のご努力をお願いいたします。私も、えん罪を起こさない社会づくりに力を尽くします。

「障害者郵便制度悪用事件」のあらまし

村木 厚子(むらき・あつこ)さんは、2008年に雇用均等・児童家庭局長を務めた後、内閣府政策統括官(共生社会政策担当)、厚生労働省社会・援護局長を歴任し、2013年7月に厚生労働事務次官に就任しました。

2009年 6月、自称障害者団体「凛(りん)の会」に偽の障害者団体証明書を発行し、ダイレクトメールの郵便料金を不正に安く発送させたとして、虚偽公文書作成・同行使の容疑で大阪地検特捜部に逮捕されました。村木さんは容疑事実を強く否定し無罪を主張、大阪地裁は 2010年 9月に無罪判決、同年 9月 21日に大阪地検が上訴権を放棄したため、無罪判決が確定しました。

その後、本事件の担当主任検事が証拠物件のフロッピーディスクを改ざんしたとして逮捕され、2人の上司も犯人隠避の容疑で検事 3人が最高検察庁に容疑者として逮捕されるという極めて異例の事態になりました。それぞれ有罪が確定しています。

投稿者:北川 やすとし


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