去る21日、神戸のホテルクラウンパレス神戸にて、「農」イノベーションひょうごキックオフ交流会に参加して参りました。
兵庫県では、農林漁業者や食関連企業などの各分野の事業者と大学などの研究機関が相互連携して、県産の農林水産物を活用した、新商品・新サービスの開発と創造的な事業活動を応援する「農」イノベーションひょうご推進協議会を設立しています。
その異業種連携のプレーヤーとなる、「農」イノベーションひょうご推進協議会の会員が一堂に会し、新たな価値創造を目指すという趣旨のもと、異業種交流会を通じてイノベーションが誘発され、今後の活動のはずみとなる事を主眼としています。
交流会では、県内の先進事例として、エム・シーシー食品の水垣社長による「産地と取り組む商品開発」と、昨今テレビ講演依頼の多い、神戸国際大学経済学部の中村教授による「良いものをいかに高く売るか」の二つの講演が行われました。
現代の生産者には、安全で身体に良い生産物の地産地消を実現させつつ、良い物をいかに高く売るかといった大きな課題があります。
本来、「良いものは高い」という当たり前の事が、いつの間にか「良いものをより安く」のフレーズに慣らされてしまい、生産現場のことにまで考えが回らなくなっているのは事実です。
リンゴが10,000個売れてようやく年収100万円だとした時、その手間や天候不順による生産量の危険率も考慮すると、進んでリンゴを生産する若者が集まるかと問えば、多くの人は否と答えるでしょうし、まして家庭を持ち子供を育てるといった事まで考え合わせると更に難しいと言わざるを得ません。
後継者不足の解消と育成を図るためにも、儲かる、そして働き甲斐のある生産現場の実現という課題に対して、真剣に取り組まねばならないと考えます。
兵庫は神戸という、他の地域もうらやむブランドを持っていますが、いかに品質を確保し生産体制を確立できるか、そしてその品質と手間に見合った価格で販路拡大して行けるかが重要なテーマです。
神戸ビーフに代表されるように、安定した需要と供給のバランスを取り、かつ新たなイノベーションをどう起こしていくか、期待をふくらませつつも考えさせられる交流会でした。