兵庫県議会議員 四期北川やすとし

2016年12月31日

【対談】可視化法制化、小さいが大きな一歩〜森直也弁護士と意見交換

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「森直也(もり・なおや)弁護士 プロフィール」
昭和39年9月22日生。神戸市出身。甲南高校、中央大学法学部卒。
平成18年4月WILL法律事務所開設。日本弁護士連合会・取り調べの可視化実現本部事務局次長。
今年9月、可視化法制化記念市民シンポで「可視化法制化への道のり、これからの刑事司法」をテーマとしたパネ討議で、村木厚子、江川昭子さんら4氏のコーディネーター務める。

刑事訴訟法が改正され、取り調べ可視化へ第一歩を踏み出しました。しかしその割合は2、3%、冤罪をなくすためには捜査機関等への更なる注視と息の長い取り組みが不可欠です。日弁連可視化本部事務局次長の森直也弁護士と課題などを話し合いました。

北川:まず、母の件です。平成23年4月の県議選西宮で車上運動員の記載漏れがありました。母はその事自体知らない状況下、記載漏れミスした当人を除外し全く関係のない人々を質に(人質司法といわれる冤罪誘発行為)記載していないことを知っていたと意識をねじ曲げ、そこにお金を払った事にして逮捕、起訴された。根拠も不明で、元検事長の方は「よくこんなもので起訴できたな」と述べられました。
ノイローゼになって自殺したというのが真相です。録音などない。冤罪を防ぐため可視化が必要であることを痛感した背景です。

森:刑事訴訟法が改正されて、可視化へ一歩を踏み出しましたが、全体では、わずか2、3%。裁判員裁判対象事件と警察官の独立捜査事件の2類型だけ。10年以上も可視化を求めて活動してきました。2、3%だとしても決して小さくない。ここからいかに進めていくかが大事なんです。

北川:3年後施行、3年後見直しなんですよね。

森:施行されるまでの3年間の運用実績で、任意的な可視化の範囲をどれだけ広げていけるか、が大事です。施行後の3年間で実践を積み重ねることで全事件へと広げなければならない。
外部と遮断されて取り調べを受けて自白強要に至る。冤罪事件は密室の中で起こっている。今回の法改正は、村木厚子さん事件が契機です。私たちの大目標は冤罪をなくすことです。

北川:法律は運用によって良くも悪くもなる。注視が必要です。法制化は評価すべきですが、パーセンテージが心もとない。メディアも弱い。村木事件も内部告発があったから。そうすると可視化されても冤罪は起こり得る。自殺者や社会人として元に戻れないような人が出てくる。検事らを抑える法文化が必要です。それができるのは弁護士。弁護士庁のようなものを法務省に立ち上げていくべきでは。

森:国家機関に入ると、国家の統制が入る。国家的な組織に組み込まれなくても弁護士のやれることはある。可視化、冤罪、公害など弁護士が在野であるが故でしょう。ですから弁護士のスキル高めていく必要がありますね。

北川:冤罪では、誰も責任を取らない。起訴した検事も捜査した警察も責任を取らない。有罪にした裁判長も裁判官も同様です。

森:冤罪がはっきりしたときには、捜査機関とは切り離された機関がしっかりと調査をするセクションが必要です。責任の所在を明らかにする仕組みが必要です。

北川:冤罪は、被害者にも影響がものすごくある。つまり真犯人が逃げているわけですから。ターゲットを絞ると板金的な取り調べではめ込もうとしますよね。

森:2%でも可視化されることによって警察も検察も真剣に考え出す。変えるとすれば冤罪が起こった時の調査機関の設置でしょう。

北川:2%でも評価はできるが、98%97%が残っているわけで、冤罪が生まれる可能性がある。光の差さない部分がある以上、それを止める方法が必要です。

森:潜在的な被害者をすべて救うことは不可能ですが、実践のなかでやれることをひとつずつこなしていく。冤罪が起こりそうであれば、弁護士会内で情報共有なり知識共有していくといった小さいことを進めていくしかないのでしょう。先日のシンポで江川昭子さんが、可視化ができたことは小さな革命であるといわれていました。弁護人も冤罪をつくるのに一枚噛んでしまったということもあるわけですから。

北川:母の場合、証拠も調書も含めて隠匿してつくりあげている。スポットを当てないメディアなど正攻法じゃだめなのかと思う部分もありますが、多くの人に少しでも実態を知っていただき、国民の意思として法制化に繋がればと活動を継続していきます。


投稿者:北川 やすとし

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