本日は、私が部会長を務める産業労働部会の管外調査で広島県にあるIHIマリン・ユナイテッド、呉市海事歴史資料科学館、マツダ本社工場に研修に来ました。
今回の研修先は、部会長就任以来私の中で暖めていた企画。
呉市の海事歴史資料科学館、通称やまとミュージアムは以前見学した事もあったのですが、国からの産業ツーリズム認定の前で、対岸に見えるやまとを建造した往事の雰囲気を一部残す、造船工場を始め日本のジェットエンジン生産70%を占め、マツダ本社工場存在地と我が国有数の重工業の場所。
造船所内には、旧帝国海軍工廠時代以来の歴史や伝統を感じる煉瓦造の建物。
戦艦大和建造ドック、その大屋根なども時代を超えその一部が残されている。
その中で現在建造中のタンカー等巨大な鉄の構造物が並び、ビル9階に充たる建造中の船の操舵室まで上がらせて貰ったその景観、巨大さと精緻な技術に改めて感動を覚えました。
航空機のジェットエンジンの製造現場も見学し、世界のジェットエンジンの約7割にこの呉工場で作られる部品が使われているという説明に、それを支える日本の高い技術、研究開発にやはり感動を覚えます。
IHIマリンユナイテッドで説明して頂いた内容にも有りましたが、こうしたものづくりの背景の基盤には戦前からの伝統技術の継承なくしては成り立たず、戦艦大和の建造技術は戦後日本の復興、高度成長経済を下支えする日本の技術力そのものであったという認識を、後の大和ミュージアム見学の際、改めて持ち得る事になりました。
大和ミュージアムでは同時に産業ツーリズムとしての側面も見学。
入館直ぐに10分の1のスケールの戦艦大和が展示され、甲板板は戦前本物の板を張った大工さんが再び一枚一枚張られ、新しい事実が判明次第随時修正されるという、本当に精巧な再現がなされている。
当時世界最大の46センチ砲弾や設計図、技術者の展示も有り、こうした展示を案内しながら説明を熱心にして頂くボランティアガイドさん。
観光ツーリズムの取組みとしてのPRに新めて語り部の重要性を認識させられました。
最後はマツダの本社工場。
ロータリーエンジンで知られる本社はその広大な敷地には生産工場、病院、倉庫、輸出ブース等が存在し、一つの街と感じる。
マツダでは他の代表メーカーとは趣を違え、エンジンの改良を通じた部品の軽量化や低燃費を徹底的に追求して32キロ/1Lというエコを実現している。
更に水素自動車の開発に取組み、ミュージアムではその最先端自動車から、戦前の三輪自動車からキャロル360、コスモスポーツ、と新旧自動車が展示され歴史の流れを垣間見、今目指すべき指針が都度はっきりと伝わる感じがしました。
日帰りの慌ただしい政務調では有りましたが、時間と内容を吟味した行程。
ものづくりの現場とそうした日本の歴史と伝統をもとにした産業ツーリズム、次世代環境自動車開発への取組み、日本の技術力とそれを支える気概を実感する充実した一日となりました。