今年も残すところあとわずかとなりましたが、皆様にとりましてはどのような一年でありましたでしょうか。
今年は、大阪北部地震から7月の集中豪雨、それと前後して数々の台風、北海道胆振東部地震、そして地元においては潮芦屋の高潮被害と災害が相次ぎ、毎年恒例の行事、京都・清水寺の「今年の漢字」は『災』でした。
近い将来予測される南海トラフ巨大地震に対し、被害を最小限に抑えるべく、各方面において必要な改良を計画的に進め、いかに避難勧告・指示を的確に県民の皆さんに伝え、実行していただくか、防災に対するこれまでの想定を見直すいくつかの課題が見えた年であったと思います。
この対策に対する指針としては阪神淡路大震災の経験が大いに益すると考えますが、被害の最小化を図りつつも、例えば、今も残る被災者の方々の災害援護資金貸付53億円の未返済といった問題についても、返済免除の対象拡大を視野に議員立法の議論を始める必要もあり、震災を経験した兵庫県の議員の一人として解決へ向け頑張っていく所存です。
また、災害への取り組みと併せて、地球温暖化対策を確実に遂行していく必要があります。特に台風被害のあと、地元西宮の甲子園浜における海洋ごみ(漂流・漂着ごみ)の清掃ボランティア作業を通じ、マイクロプラスティックをはじめとしたごみ問題を強く意識するところとなりました。来年も、回収と再利用をしっかりと意識しながら清掃活動を続けて参ります。
また、木材の利活用によるバイオマス発電や、兵庫県林業会館のCLT建築をはじめとした木材建築の促進、植林等の取組み、エメックス(閉鎖性回帰の環境の保全・創造)の取り組みといった自然との共生ビジネスが、温暖化対策だけではなく、日本の新しい技術と産業、雇用を生み出し、地方・地域創生となるよう期待しております。
今年、家内と韓国の軍事境界線非武装中立地帯(DMZ)ツアーに参加して参りました。
経済制裁を受けてもなお北朝鮮は独自の歩みを続けており、拉致問題・核開発等、いくつものの懸念事項が取り沙汰されていますが、私も「救う会」の活動や集会に何回か参加しながら、北朝鮮に対する情報をメディアを通してしか知ることがありませんでした。ツアーに参加したのは、北朝鮮を遠望する38度線、DMZにおいて史実・史跡を通して感じること、見えてくるものがあるのではないかと考えたからです。
朝鮮半島はかつて日本が統治し、また他国の介入により、分断され今もなお、統一を宣言しながらも分断されている状況が続いております。そうした歴史の推移の中、国を守り発展させる思想が私たち日本とは異なることを、板門店や38度線を越えて北朝鮮領土の開城工業地区を遠く見ながら強く感じました。
その後、6月にシンガポールでの米朝首脳会談が行われ合意文章に署名、非核化や朝鮮半島の平和が進み、拉致問題の解決に結びつくと期待されましたが、今日現在、あまり進展が見られないのが残念に思います。それでも外交を進めていくそのこと自体は止めることなく結果に結びつくまで継続してほしいと切に願います。
今秋、9月議会で質問させていただきました。質問の内容と当局からの回答に関しては、県議会のホームページに掲載されておりますので、ぜひご覧ください。
県民の安心・安全、経済や都市農業、環境に関する計7項目で進めましたが、ようやく私の政治信条でもある「取り調べの可視化」の質問ができたことは大変嬉しく思いますが、当方の意図とは違う回答となっていることは非常に残念に思いました。
私の意図は、冤罪を生み出すその原因・システムからの撲滅を意図したものであり、このことは以前にも冤罪撲滅の森直也弁護士の記事として掲載しておりますが、起訴された公判全体で可視化が義務付けられるのが2.3%に過ぎない現状で、「暴力団といった反社会組織の人員が組織からの報復を恐れ、可視化をしないでほしいといった例以外、可視化をしている」といった答弁では、可視化を否定する人以外はすべて可視化していこうとしているという誤解を生むことになり、97%以上において可視化をしていないという実態を隠すことになるこの答弁に、非常に高く厚い壁の存在を感じました。
元兵庫県警察の刑事であった飛松五男氏と、先日、対談することが叶いその旨を話しましたが、違法な捜査取り調べの自白強要は確かに存在し、警察内部で上下間の適切な報告のやり取りが行われないこと、検察側の実績を積み上げる強引な証拠探し、身内至上主義の意識の横行などに対応する、政治的な働きかけによる第三者検証委員会の設置が必要であるといった言葉をいただきました。
この警察、検察の取り調べ方の問題は、国際司法から「旧時代」と揶揄されることもあります。直近では、ある自動車会社の特別背任事件の記事を連日目にしますが、検察側が勾留の延長を求め、地裁がこれを認めるなど、海外のメディアからは日本の司法のあり方を問う報道がなされています。
これを機会に日本の司法が国際司法のまともな水準になることを切に願うとともに、日本のメディアにおいて、一般の一個人にもその報道姿勢の公平さが浸透していくことも期待するところです。
これらへの願掛けというほどではありませんが、今秋、熊本県にある釈迦院御坂遊歩道(3333段階段)を登ってまいりました。なかなか大変な道中で、何度か休憩をしながらようやく階段を登りきり、その約1km先にある釈迦院に参りました。
上りがあれば下りがあるわけで帰りの下りも膝が笑い、登り同様休み休みの行程となり、その後約1週間、筋肉痛にずいぶん悩まれましたが、痛みが治まった後、階段が楽になったのは日ごろの運動不足と認識し、健康のためにエレベーターを使うのも少し控えめにしております。
今年も例年通りお餅つきや注連縄づくりといった日本の伝統文化にふれ、年の瀬を迎えます。日出づる國としての誇りが遍く国内外に浸透していくことを願いつつ、平成最後の年を思い起こし、新しい年に向かって気持ちを新たにして参ります。
皆様にとりまして来年が良い一年になりますよう、どうか良いお年をお迎えください。