北川やすとし 兵庫県議会議員 六期

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活動リポート

2015.8.7

取調べ可視化成立へ衆院委可決と報道があるも…

kashika20150806

過日、日刊紙で取り調べ可視化成立へといった見出しの記事が政治面でありました。

神戸新聞NEXT|全国海外|政治|可視化義務付け成立へ

この見出しそのものは冤罪防止に役立つことは間違いありませんが、中身を見る限りまだまだ現場刑事・検事の裁量によるところがほとんどです。その対象も限られ、全体の3%程度とも記事にありました。

司法取引の導入や通信傍受の対象拡大といったことも法案に挙げられているところから、ことば通り取れば犯罪を解明するために司法が捜査協力者への起訴を見送る・取り消すように見え、あるいは組織犯罪やテロ行為が疑われる案件では有効かもしれません。しかしながら、これは冤罪防止に関しては、そもそもその趣旨が違い、その冤罪を後押しすることも十分考えられます。

過去の冤罪事例を踏まえて、個人がその対象になった時のことを考えれば、本来被害者である人間を被告とすることでより事件性を大きくし、司法の思い描く台本に都合の良い証言を加害者側からも引き出して利用し(司法取引)、司法の側にいる人間の出世欲実現のために悪用される危険性は、密室の中で行われる供述調書が証拠として重用される限り、なんら今までと変わるところはありません。

司法にとってマイナスである可視化に、強大な権力を行使してこれを妨げようとしているのが司法の実態であるというのが、冤罪防止に取り組む弁護士の方々と意見を一つにするところです。

そして、どうかメディアの皆さんにお願いしたいのは、昨年の政務活動費に対して向けられた厳しい視線を司法にも向け、司法先進国に習い、冤罪が起こり難い報道に努めていただきたいということです。

※追記
本日、衆院を通過しました。

刑事司法改革案:可視化や司法取引を導入 衆院通過 – 毎日新聞 

 

投稿者:北川 やすとし


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