今年も残すところあと僅かとなりましたが、記憶にも記録にも残る一年であったと思います。
元日夕方、能登半島地震が発生し、日本海沿岸の広範囲に亘り津波が襲来、9月には能登半島豪雨により、河川の氾濫・土砂災害が起こり、お亡くなりになられた方々に謹んでお悔やみ申し上げますとともに、今なお被災され復旧復興に取り組まれる皆様に心からお見舞い申し上げ、一日も早い復旧復興を願います。
能登半島地震発生時、兵庫県北部でも津波警報が出され、津波による大きな被害は確認できませんでしたが、避難に関するいくつかの課題が認識され、地域の方々による今後の災害に備えた見直しが、行政、大学他の防災専門家と共に進められています。
8月には、初めて「南海トラフ地震臨時情報」が発表され、行政や企業、専門家による意見を総括し、今後の地震情報発信の在り方や避難所開設等による財政支援、ライフラインの企業をはじめとする、業態ごとの指針・対応策が纏められました。
来年1月17日は阪神・淡路大震災から30年が経過し、これまで培ってきた防災減災、復旧復興での取組みや成果を、県民・行政・関係機関と連携し、今後の災害への対策として県内外に、発信する事が求められます。そのような中、阪神・淡路大震災を起こした活断層に割れ残りが確認され、再び震度6~7の揺れの可能性を指摘する報道があり、災害対策への認識を深く改める一年となりました。
新型コロナウイルス(COVID19)の影響も、感染症法上の位置づけが季節性インフルエンザと同じ5類に引き下げられ行動抑制が緩和されましたが、最近インフルエンザ感染症が流行し、感染予防への個々の対策が継続して求められます。
ロシア連邦のウクライナへの侵攻、イスラエルとガザの紛争に伴う世界秩序への影響、物価高等による経済状況は、回復という認識にはなかなか結びつかず、平和と安寧への取組みが、国際連携で強力に進められる事を強く願います。
3月に端を発した、故元西播磨県民局長による7項目の指摘文章による問題は今後の公益通報の在り方、情報管理の在り方、SNSを始めとする情報発信の在り方と内容の真偽確認や訂正の在り方等、行政を停滞することが無きよう早急に対応、解決すべき課題が見出されました。告発内容と私的情報を分けて調査を進める中、委員会外での情報発信では公正中立の基準となる指針が希薄であったと感じます。
また本来、候補者の考えを発信するアカウントが凍結する等、公正中立なファクトチェックがなされにくい状況も散見され、授業料無償化、分収造林事業、地域整備事業、医療問題等、候補者の県政課題への政策がどこか埋没した様に感じる状況は、今後選挙の公正を確保する観点からも、表現の自由はそのままに、誤情報の制限、正確性・妥当性を検証する事実確認といった対策や整備を議論し、時代に即した公職選挙法が求められると思います。
第366回定例県議会では、一般質問最終日に質問に立ち、私立高校における教育の充実や、県立大学の授業料等無償化、大阪関西万博におけるスマホアプリ等を活用した兵庫県のPR発信、災害時の主に法的観点から被災者支援する災害ケースマネジメント、新たに西宮市に着工した「西宮総合医療センター(仮称)」を鑑みた新興・再興感染症への対応と経営改善、選挙の争点をより分かりやすく有権者に伝える取組みについての質問を行いました。
いずれも、阪神・淡路大震災や分収造林事業、地域整備事業の会計で、多額の債務超過を踏まえた財務処理を進める中、財政調整基金と行政改革の成果と合わせ、県立大学の授業料無償化、県内就職、企業と連携し、兵庫県版奨学金返済支援制度拡充等、負の遺産を整理し未来に向けた施策を進めるべく、更なる行財政改革を念頭に行いました。
今月の新聞報道でもありました、1966年の静岡県一家四人殺害事件で再審無罪が確定した袴田巌さんの弁護団の小川秀世弁護士とオンラインで対談させていただきました(後日対談内容はウェブ上で掲載予定です)。10年前に袴田ひで子さんと冤罪防止で意見交換させて頂いて10年という時間が経過し、その間も司法による証拠の保管や捏造の疑義、長期に及ぶ再審請求の審議の在り方等、司法による冤罪への検証姿勢と結果は十分とは言い難く、内容も不十分との意見を一にしました。
不適切な取り調べや審理の長期化に一定の反省が示される一方、曖昧な説明に依拠し、取り調べの可視化を進め証拠捏造の疑いを無くす為にも、証拠全開示の姿勢を徹底すべく弁護人や裁判官、学識経験者を交え検証を行う、第三者の視点を取入れ、今後の捜査に生かすべく、全捜査機関が問題意識を認識共有する「適正な手続きでの証拠の立証」という大原則に基づくことを強く望みます。
いずれにせよ、冤罪が本来犯罪であることは間違いなく、冤罪被害者をなくす可視化をはじめとした、さまざまな冤罪撲滅の施策実現に、今後も微力ながら発言を重ね尽力していきたいと思います。
リンク:袴田ひで子さんと冤罪防止で意見交換(県政報告平成26年9月号)
関西広域連合議会議員に令和3年から兵庫県議会より選出され、令和5年度末を以って交代しました。関西広域を念頭においた質問、他府県議会議員との協議や発言が新たな認識へと繋がり、来年4月開催の大阪・関西万博や、環境への配慮ゼロカーボン構想、ワールドマスターズゲームズといった、スポーツを通じた地域活性化の取り組みとその展開は大変参考になりました。今後も関西広域連合での経験を基に、兵庫県の発展に取り組んでまいります。
本年はパリオリンピック・パリパラリンピックが開催され、日本選手団の金メダル最多、また大谷翔平選手の史上初の50-50達成という快挙が日本を勇気づけ感動をもたらしました。ノーベル平和賞を日本原水爆被害者団体協議会が授与され、改めて核の威嚇を含む廃絶を強く発信されたスピーチは、核なき平和への希求が世界中で広くなされることに繋がることを願います。
来年3月には、阪神タイガースのファーム本拠地が尼崎市の小田南公園にゼロカーボンベースボールパークとして新設され、脱炭素・循環型社会に適応した新しい野球場として注目されます。
また4月には、西宮市政100周年を迎え、多くの周年イベントが企画、すでに今年阪神甲子園球場では、8月に球場100周年を祝うセレモニーが行われ、さらに公益社団法人日本将棋連盟も100周年を迎え、球場で藤井聡太竜王・名人と羽生善治九段による100周年記念対局が開催されるなど、西宮では100年という記念行事で盛り上がりを魅せています。
神戸空港も、来年4月に国際化され、大韓民国をはじめとする諸外国とのチャーター便が運航、大阪・関西万博はもちろん、兵庫五国に多くの方が訪れていただき、双方の文化や経済の民間交流が活発となり、兵庫県が賑わっていく事を期待します。
今年も清掃活動や地域防犯部の活動をはじめ、注連縄づくりやお餅つきといった伝統文化行事に参加、年末夜警にも参加し、皆様との交流を通じて、来年も夢ある未来の兵庫県政の実現に向け、いただきました陳情要望に応えるべく活動を継続してまいります。
皆様にとりまして来る年が良い一年となりますよう。
良いお年をお迎えください。