兵庫県議会議員 四期北川やすとし

2016年12月30日

年の瀬のご挨拶を申し上げます

今年も残すところあとわずかとなりましたが、皆様にとりましてはどのような一年でありましたでしょうか。

今年、私は、以前から関心を持ち、私のライフワークの一つとなっております「冤罪撲滅」という社会正義とどこかあい通ずると思っていたリトアニア・カウナスにある「杉原記念館」に赴き、ユダヤ人へ『命のビザ』を発行し続けた杉原氏の息づかいを感じることが出来ました。

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『命のビザ』発行は、日独防共協定、日本政府の意に反する行動であり、「外交官としては間違った行動だったかもしれない」との手記からも、その苦悩は想像に難くありません。

人道主義第一の行動は、外務省が発表しなかった事実と、外務省退職という結果から、「ユダヤ人から金銭を受け取りビザを発行した」という噂につながります。幸子夫人の証言もありますが、噂に流され、真実を見抜けず、第一印象重視の風潮が色濃いと感じます。

杉原氏は、ビザ発行によりソ連政府からの退去命令にも背いたことが原因で約1年間の収容生活を送り、帰国するも外務省退職、先の噂も併せ、いかに無念だったか、その心中は察するに余りあります。

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ところで、司法による冤罪で自死に追い込まれた母の「自分のような人間を増やさないよう可視化を進め、冤罪を止めてほしい」という遺志を次いで行動する私には、「正当化しようとしている」「無駄な行為」との言葉も聞かれます。

冤罪で苦しんでいる方々が確かに存在し、それを生みだす状況が今なお継続しています。任意段階からの可視化100%の実現により、冤罪をなくしたいという想いは『命のビザ』と同じくらい重いものであると考えています。

ちなみに、任意で取り調べを受ける場合、ほぼ拒否できず、その中で誘導や脅迫によって逮捕に至ります。また、厳しい取り調べのせいで被疑者が調書に署名したとしても、後日、それに異議を申し立てても、覆ることはまずありません。これが司法の実態です。

任意捜査の取り調べ室に入った時から「可視化」をしない限り、逮捕後の可視化をしても意味はありません。逮捕状に判子を押した裁判官の出世の妨げになるからという、非道が改善されるべきと考え、任意捜査段階からの可視化を訴えています。

杉原氏の行動が評価されるようになったのは終戦の約20年後。1969年にイスラエル政府から杉原氏が招待を受け、『命のビザ』で助かったユダヤ人と再会、勲章を受けました。記念館には、多くの章・資料が収められています。

外務省も生誕100周年にあたる2000年に「勇気ある人道的行為を行った外交官杉原千畝氏を讃えて」のプレートを作成しました。

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これまで、冤罪セミナーなどで、同じ無罪判決でも、司法側の行為が違法行為と立証され逮捕起訴されるケースは内部告発でもない限り稀であること、また、同様の違法行為が疑われるも、逮捕起訴した司法側が判決不服で上告し、逮捕起訴されることなく、被告が被疑者に戻るだけで、賠償も人権や社会復帰もままならない現状を知り得てきました。

杉原千畝氏のプレートが作成された2000年に入り、志布志市事件(警察官の捏造買収事件)、氷見事件(虚偽自白の強要、有罪判決も真犯人出現で無罪)、足利事件(DNA鑑定の拡大解釈と暴力を伴う強引な取調べ)など警察検察の失態による冤罪事件が続発、司法の信用が地に堕ちましたが、氷山の一角といわれています。

任意段階からの可視化100%を始め、裁判員の声にもある『裁判の中で検察側にとって不都合な事実を出さないこと』に厳しい目で司法制度を見極めることが肝要です。

警察・検察の失態を、職を辞してから発言する方々もおられますが、現職時には、それが出来ない体制であることが容易に推察できます。また、公平性に欠ける報道のあり方は、同じメディア関係者からフォーラムなどで問題に挙がっている要因と同様かもしれません。

日本弁護士連合会が発行する国民向けの「取調べの可視化で変えよう、刑事司法!」という冊子に可視化先進国からのメッセージが投稿されており、せめて日本の司法は日本人の手によって可視化先進国となることを願い、今後も活動を継続していきたいと思います。

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さて、今年も自然災害が熊本県の地震をはじめ台風10号の東北上陸と各地で猛威をふるいました。災害への取り組みを地球温暖化対策と併せ確実に遂行していかなければなりません。

その中で兵庫県でもすでに進められている木材の利活用によるバイオマス発電や、建築、植林等の取組み、エメックス(閉鎖性回帰の環境の保全・創造)の取組みといった自然との共生のビジネスが、温暖化対策だけではなく、日本の新しい技術と産業、雇用を生み出し、地方・地域創生となるよう期待しております。

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今年も例年通りお餅つきや注連縄づくりといった日本の伝統文化にふれ、年の瀬を迎えます。日出づる國としての誇りが遍く国内外に浸透していくことを願っております。

皆様にとりまして来年が良い一年になりますよう、どうか良いお年をお迎えください。


投稿者:北川 やすとし

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