兵庫県議会議員 四期北川やすとし

2015年8月25日

「冤罪Gメン」の活動に協力いたします。

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去る8月11日、立命館大学政策科学部政策科学課の稲葉光行教授を訪ねて参りました。

稲葉先生は、立命館大学のグローバル・イノベーション研究機構 (R-GIRO)である『法心理・司法臨床センター』において、法学者としてではなくコンピューター・サイエンティストのお立場から、公正な裁判の支援、司法被害者へのサポート、加害者臨床、法教育といった司法に関わる数々の取り組みを「総合的にワンストップサービスで」提供することを目標に掲げて研究、活動されておられます。

これまで、被害者支援や加害者の更生、犯罪の抑止などに取り組むには、法律のみならず、心理学、社会制度など、あらゆる領域に関わることが別々の専門機関にゆだねられるのが実情でした。

しかし、それらを一元化し、法学、心理学、社会学、理学、工学など多分野の研究者に加え、法や心理に関わる実践家、企業や海外の研究機関などとも連携し、我が国の実情に則した司法のあり方や法サービスを追求されております。

中でも、稲葉先生のグループでは、マスコミなどを介した公判前報道が起こす新たな課題の検証とその対策法を検討されておられ、また、取調べ場面の録音・録画による「取調室の可視化」がもたらす新たな課題についても研究し、「公正な取り調べの可視化」の手法を探っておられます。

ちなみに、稲葉先生のグループでは膨大な供述調書の内容の変遷を三次元に視覚化する「三次元情報提示システム」の開発に成功され、今後、弁護士や企業などの協力を得て「自白の信ぴょう性」を判断するための情報視覚化技術の確立と実用化を目指しておられるところです。

こうした研究、活動の一環として、去る7月6日、重大事件の受刑者や死刑囚が冤罪を訴えた場合に無実を証明する手助けをするための支援組織の設立に向けて、稲葉先生が代表となり京都市内で初めての会合が持たれました。

第34回 法心理・司法臨床セミナー「イノセンス・プロジェクトと科学捜査」

有罪の証拠とされたDNA型の再鑑定の橋渡しや、自白の信用性を心理学的に再検証する「冤罪Gメン」の活動を今年度内にも始めることになっています(朝日新聞7月7日付)。

この活動のモデルとなるのが、20年ほど前にアメリカで始まった「イノセンス・プロジェクト」という取り組みです。弁護士や学者、ジャーナリスト、元警察官などから構成され、DNA鑑定や聞き込みなど独自の調査活動を行う民間団体ですが、これまでにDNA鑑定によって330件もの無罪を勝ち得たとの報告もあります。

稲葉先生は、3月にはアメリカのニューヨークとサンディエゴを訪れ、多くの「イノセンス・プロジェクト」の関係者にインタビューを行ってこられました。「イノセンス・プロジェクト」を参考にして、「さまざまな分野の専門家を集めて、冤罪被害者の『駆け込み寺』になることを目指したい」とおっしゃっています。

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私にとって冤罪撲滅は人生をかけた重大テーマです。取り調べの可視化は、冤罪をなくする第一歩であると考えています。「私たちの技術と知見で冤罪を見抜き、真相解明に貢献したい」とおっしゃる稲葉先生のグループの活動に、私も母の事案に関する情報を提供することで、協力したい旨を表明しました。

実は、海外の司法制度に比べれば、日本の供述調書の取り方は著しく人権を侵害した異常極まりないものであり、そのことを知った諸外国の人々からは例外なく驚きの声が上がります。これは、戦前から続くものであり、2000年を境に冤罪を生む状況が悪化していると、司法の現場にいる心ある方も申しております。

昨今、司法改正を叫ぶ著書が数多く出版されているにも関わらず、冤罪の実態とその解明のための取り組みは遅々として進んでいません。また、証拠の隠匿や供述の改ざんなど捜査や取り調べに疑わしき点が多々あり、人の命や自由を奪い取ってそれを手柄とする司法の実態も、メディアの取材姿勢が明らかに弱いため、国民への周知が行き届かず大きな関心を呼ぶに至っていません。

私は、現代日本の司法において、その司法側を監視し、逮捕、勾留、あるいは裁判を行う、既存の組織に影響を受けることのない別の独立機関が必要と考えています。

「冤罪Gメン」の活動は来年の4月にも団体を発足させ、冤罪の被害者を救う取り組みを始めることになっています。この活動が大きな成果を上げることを今から期待しています。


投稿者:北川 やすとし

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